Q.全体的な印象はどうですか?

全体的な印象でいうと、弾道でいうと私が普通に打つと5ヤードくらい左につかまってくるような球筋で、40~50gの軽量の部分だとボールがかなり良く上がるシャフトですね。60~70gになってくるとしっかり重厚感が出てきて、球の強さがしっかりと伝わってくるような感じになっています。動きは、先が少し動いて中間が硬くて最後先端が少し柔らかくなっているかなという感じがするけど、全体的な動きとしては、なめらかですね。
ATTASブランドはいつもクセがなく誰でも打てるシャフトを目指して作っていますが、そういうコンセプトが非常に感じられるモデルです。

Q.40g台のフィーリングはどうですか?

40g台のSを打ちましたが、こういう軽量帯となると頼りなさが出ますがそういう感じが一切なく、押し戻す感じが出ていいですね。飛ばせるシャフトの傾向かなと思います。
つかまる要因も大きいんだけど、つかまるよりも上がるっていう動きに40g台はすごく感じます。テイストがわりと中間部がつぶれずに先がクッと動いてくれる感じでボールだけサッとひろっていく感じがするのでその辺が好印象ですね。
Sフレックスだからかもしれないですが、ひろう感じが出ていてこのくらいの重量帯の方が、ジャックらしい動きをしますね。
押し負けないって感じがさらにいいですね。

Q.新素材採用によるスピード感は感じますか?

走り感はもちろんありますね。それにサッとひろっていく感じもあります。
これがものすごい素材をバキバキにして、ビュンとした感じじゃないからその辺が打ちやすくていいですね。タイミング取りやすさを感じます。

Q.4Sを打って思い浮かべるゴルファーは?

連想するターゲットでいうと、長尺にして飛ばしたいという人、競技に出てるような女性、シニアの方。振り切りたい!球を上げたい!というプレーヤーに特に良いかなと思います。

Q.50g台のフィーリングはどうですか?

今50g台が主流になりつつあると言われているところで、ジャックは程よいしなり感、それと加速感がうまく両立しているスペックだと思います。
もちろん50g台なので自分からしたら少し軽い重量帯なので、振っていくとしなり感が強く出るような感じがしますが、そのしなりが負けずに押し戻してくれるところがいいですね。 それは、40g台も50g台も一緒かなと思います。

Q.おススメしたい人は?

こういった先端が動くシャフトは非常に当たり負けに弱い部分があって、自分もお客様にフィッティングで勧めるときには、ミスヒットが多い人には先端が柔らかいシャフトを勧めないんですが、このくらいしっかりしていると(押し戻されないと)、ミスヒットにも強いく、大型ヘットにもお勧めです。
ですので、手をあまり使わないタイプや球があまり上がらない方はもちろんですが、ミート率があまり高くない方にも良いですね。

Q.合わない人は?

マッチしにくい人は手の動きで手首を使ってスイングする人ですかね。
手元がしなるシャフトってそもそもあまり得意じゃない人が多いですね。そっと振っちゃえばいいんですが、ゴルフってそれが難しいから結果的に合わないのかなと思います。

Q.60g台のフィーリングはどうですか?

自分にとっては60g台がベストマッチだと思うので、スペック的には距離も一番出てます。
このくらいの重量帯になると上級者が求めるニーズというものが色濃く出てくる感じがします。それは、重さがあるがゆえにつぶれてる時間が長くなるからですね。
ぐぅーっと押していけるような手元側の柔らかさが少し出てくることと、インパクト以降の振り抜きの強さっていうのがシャフトから出てくる感じがありますね。

Q.どんな人に合いますか?

このくらいの重量帯となると、少しヘッドスピードがある人じゃないと厳しいかと思います。6Sでそうですね、あくまで目安ですが43以上くらいかなと思います。球は上げたいけど、方向性も重視する方に良いですね。

Q.どんなヘッドに合いそうですか?

昨今ヘッドが大型化してきて重心距離がどんどん伸びていて、このドライバーもそうですが重心深度が深いんです。シャフトの延長線上から重心がなくなってきている状態なので(慣性モーメントを上げるために)、そういうドライバーの泣き所は確実にトゥダウンするということですね。下側のほうに向かってヘッドが落ちてしまうので、それを中間剛性の高さで止めているっていうところが好印象ですね。
最近のトレンドのドライバーに一番合うシャフトなんじゃないかなと思っています。

Q.70g台のフィーリングはどうですか?

1番感じるのはダウンスイングで切り返す瞬間、ここでぐっと力が溜め込んでくれるような、溜めが強く生まれてるようなパワーをこのシャフトから感じられることと、やっぱりジャックの一番の特徴であるインパクト以降の振りぬきの良さは感じますね。重いがゆえにやっぱり感性モーメントが増幅されている感じがあって、より当たり負けしなくなっているという印象がこのシャフトから受けますね。基本的な動きは全部似ているから中間剛性の高さでトゥダウンっていうのも感じられるし、逆にこのくらい重いとゆっくり振る感じになるので非常に当てやすいテイストな気がしますね。これだけ先を動かしているシャフトで暴れづらいと感じるのは珍しいですね。いいシャフトです。

Q.フレックスによるオススメは?

世界のスタンダードのスチールシャフトはやっぱり120gとかあるので、当然70gの需要はありますし、70gのSがいいかな。重いものは早く動かすイメージをなかなか持ちづらくて、ゆっくり動いてもらいたいものですよね。Sフレックスくらいのほうがシャフトの動き方がゆっくりで、Xフレックスだとピンと張ってしまい、自分からしならせにいったりするので7Sくらいが70g台だとベストなのかなと思います。

Q.どんな人におススメですか?

このくらいになるとツアーらしいというか、アッタスはツアープロに向けて発信しているシャフトなので、ツアープロも好みそうな重厚感があるシャフトのテイストに変わりますね。ですので、アスリートゴルファーや120g以上のアイアン用シャフトを使っている方がターゲットになりますね。

Q. ヘッドのタイプによる球筋やフィーリングの変化はありますか?

ノーマルのヘッドで打つと大体5ヤードくらいつかまってくれるような感じですね。どっちかというとフェアウェイの右隅を向いてしっかりつかまえてドンっと飛距離を出すときに良くやるようなロースピン系のボールを打ちやすいようなヘッドの動き方をしっかりしてくれます。
つかまりのいいヘッドにするとシャフトの動きとヘッドの動きがドンピシャなので、10ヤードくらいもっと左に球が来るイメージです。もともと私がフェード打ちなので、フェードヒッターとして打った時にノーマルで5ヤードくらいつかまって、且つつかまりのいいヘッドだと10ヤードくらいつかまるという動きをするということは、動きでいうとつかまえてくれるシャフトの傾向だといえるでしょうね。
いわゆるトゥダウンが少なくなる、横にシャフトがしなる度合いが強くなるわけですから、その横の動きが強まってボールに強烈なビンタをするような動かし方になってきます。
そうすると、ボールをしっかりつかまえてターゲットいっぱいに飛ばしてくれるということをしてくれます。
ロースピンタイプのヘッドで打っても、ヘッドなりの動きをして大体右に5ヤードまで行かないくらい、少しストレートや軽いフェードくらいになるようなボールの打ち出しの印象ですね。
普通はそこでカット気味にヘッドが入ると、どうしてもそこでスピン量が増えてくるんですが、程よく手元側がつぶれてくれるので打点の位置がセンターより気持ち上のほうになりますよね。そうするとバックスピン量がサイドスピン量と合わさって少なくなってくるので、風の中でも安心してフェードを打っていけるようなそんなイメージの組み合わせですね!

Q. 最後に、QPさんがATTAS 11をおススメしたいユーザーは?

基本的に、ATTAS 11の特徴は、球が上がりやすいことと、つかまるシャフトであるというところが自分の中で一番の印象ですが、合うタイプの人はどちらかというと、万人向きでありながら、少しフェーダー向けかなという印象です。ボールをつかまえて打てるようなタイプにさせてくれるシャフトなので、普段あまりつかまらないな、っていうプレーヤーは、例えばヘッドスピードが速い人も遅いプレーヤーでもスペックさえちゃんと合わせれば、合う感じになると思います。
あとは大型ヘッドを使ってティーショットが苦手な人は上からぶっついちゃうから球の上がりが悪かったりしてミスすることが多いんだけども、中間剛性の高さと先端の動きでボールの高さを演出してくれます。

大型ヘッドの恩恵をあずかって球の曲りを抑えられるということがいいんじゃないでしょうか。
最近のシャフトの作らせかたのトレンドの最先端を行っている動きだと感じました。

【試打・解説】 関 雅史
プロフィール
1974年生。PGA公認A級インストラクター&クラブフィッター。
ギアに造詣が深く、ゴルフメディアにQPの愛称で登場多数。
08 年ティーチングプロ選手権3位タイ。ゴルフフィールズ(東京都北区)の店長でもある。